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フラワーロスとは?花の廃棄量やその原因、今できる取り組みを知っておこう

フラワーロスとは?花の廃棄量やその原因、今できる取り組みを知っておこう

食べ物の廃棄であるフードロスとともに、最近耳にすることも多くなった「フラワーロス」。近年の社会情勢が変化したことによるイベント等の中止が相次ぎ、花のニーズが減少したことで、需要と供給のバランスが崩れ、廃棄される花が増えたことから注目されるようになりました。

今回は、フラワーロスとは何か?なぜ起こってしまうのか?という疑問から、メルシーフラワーが考える、フラワーロス削減への取り組みなどついて注目していきます。生産農家さんが大切に育てた花を無駄にすることなく、活かしていくためにはどうすればよいのか。フラワーロスを解決するために今、私たちができることについても考えていきましょう。

フラワーロスとは?

フラワーロスとは 花

フラワーロスとは、生産農家から出荷された花が店舗で販売され、消費者の手に届くまでの間にさまざまな理由で廃棄されてしまう花のこと。

品質やサイズなどが規格に合わなかったり、花が咲き進んでしまっていたり、店頭で売れ残ってしまったものなど、捨てられてしまう理由はさまざまあります。まだ楽しめる状態にもかかわらず、廃棄されてしまうことは本当に心が痛みますよね。

フラワーロスはどうして起こるの?

ではなぜ、フラワーロスは起こるのでしょうか?2020〜2022年にかけては世界的に社会情勢の変化が起こり、イベントの中止や縮小を余儀なくされ、花を使う機会が大幅に減りました。その影響で、たくさんの花が誰の目にも触れることなく捨てられたことは確かです。

2020年より以前は、花きの国内消費の約28%を法人が占めていましたが、ここ数年は需要がほぼゼロに。その結果、需給のバランス崩壊が起こりました。

しかし、実際はもっと以前から、フラワーロスは花き業界では大きな問題となっていたのです。花の需要は経済や景気、流行などにも影響されることが多く、加えて、花を贈ったり飾ったりする習慣自体が長年低迷し続けています。

花の消費そのものが減ってきている、というのが現状なのです。では、実際にフラワーロスが起こってしまう原因を取り上げてみましょう。

  1. 1.供給過剰
  2. 花き業界は「プロダクトアウト」という流通スタイルです。これは生産農家がつくった分だけ農協や市場が買い取り、小売業者を通して消費者のもとへ届くという仕組み。しかし消費者への供給がわからず、花の需要見込みが立てにくいという一面もあるため、小売り業者が過剰に入荷してしまった結果、花が売れ残ってしまいロスが生まれます。

  3. 2.規格外
  4. 花は出荷の際に等級と品質、サイズ別に分けられ、その規格に当てはまらなかったものが規格外となります。農家や市場の規格を満たしていないと、花は廃棄されてしまいます。

  5. 3.イベントの中止・延期・縮小
  6. 社会情勢の変化で、結婚式や卒入学式、送別会など、花が欠かせないイベントの多くが中止や延期に。たくさんの花が出荷されることなく廃棄されることになってしまいました。そのほか、イベントや結婚式など、短時間で役目をおえた花やキャンセルになった花もフラワーロスの対象になります。

  7. 4.売れ残り
  8. 花市場での売れ残りや、小売り業者が買い取った花の需要がなく、店頭で売れ残ってしまうものがどうしても出てきてしまいます。花は生ものなので、鮮度が落ちてしまったものは廃棄されます。

  9. 5.搬送時や保管時の劣化
  10. 卸売市場や小売店への輸送や保管中に劣化が進んでしまった花も廃棄されます。

どのくらいのお花が捨てられてしまうの?

では実際にどのくらいの花が捨てられているのでしょうか?日本で廃棄されてしまう花は、国内生産量の30〜40%とされており、フラワーロスによる経済損失は年間約1,500億円にものぼるというデータもあります。

規格外や売れ残りの花が、毎日廃棄されていることを考えると悲しい気持ちになりますよね。

メルシーフラワーのフラワーロス削減への取り組み

こうしたフラワーロス削減のために、当社では売れ残ってしまったものの、まだ販売価値のあるものをサステナフラワーとして値下げをして販売したり、ドライフラワーにアレンジしたりするなど、回収した花を新たに生まれ変わらせ、消費者の手元に届ける取り組みを行っています。

どのくらいの頻度で、どのくらいのお花が回収されるの?

当社では、出荷後おおよそ5日の間に、出荷量の約10%にあたる花を各店舗から回収しています。

花は好みが強く表れるため、ほかの生鮮品よりもロスが出やすいもの。それゆえに需要の見込みも立てにくいという悩みが常にあります。

回収されたお花はどう生まれ変わるの?

フラワーロスとは 花

回収した花は、それぞれ形を変えることで再び消費者の手へと渡るよう工夫をしています。

例えば、人気の『サステナフラワー』は、まだまだ販売価値のある花をプロのスタッフが1本1本見極め、手頃な価格に束ね直して販売しています。

また、生花としての販売価値はなくなったもののドライフラワーになりやすい花材は、専用の機械を使ってドライフラワーに加工し、『ボタニカルドライフラワー』として販売しています。

どこで購入できるの?

回収されたサステナフラワーや、廃棄前の花を使ったボタニカルドライフラワーは、首都圏約650店舗のスーパーなど、量販店に店舗を構える当社の店頭にて購入することができます。
※ただしフラワーロスが発生した場合のみ店頭に並ぶため、不定期での販売となります。

フラワーロス削減へ 〜メルシーフラワーの想い〜

これまで売れ残った花は、「人々を笑顔にする」という使命を果たせないまま廃棄されていました。花を廃棄するということは、単純にもったいないというだけではなく、生産・管理・輸送の場面で使用される多くの水や燃料を無駄にしているということにもつながります。

こうしたことは豊かな自然や限りある資源をもとに、生産・出荷されている花で生業を営んでいるものとしても無視することはできない問題です。

また、一生懸命に花を生産している生産農家さんの思いを汲み取るとより一層、今の現状をどうにかしなければと痛感します。そうした思いから、余った花をできるだけ無駄にすることなく、サステナフラワーやボタニカルドライフラワーとして蘇らせることを実行してきました。

こうした思いが、少しでも多くの方たちの心に響くよう今後も続けていきたいと、当社は考えています。

フラワーロス削減のために私たちができることは?

フラワーロスとは 花

フラワーロス削減のために、私たちがすぐにできることといえば、やはり「花を買うこと」です。まずは花を飾ったり贈ったり、あるいはフラワーアレンジメントに挑戦してみたりと、花を楽しむことを習慣にしてみるのはいかがでしょうか。

日常的にお花を楽しむことで、心が豊かになったり、暮らしにうるおいが生まれたりするなどのメリットも。現代では、花は手入れが大変、すぐに枯れてしまう、定期的に購入するのは経済的に難しい、飾る場所がないなどの理由から、特に若い世代を中心に花を買うこと自体が少なくなっています。

しかし、花を買うことから遠ざかっている人たちにこそ、試してもらいたいのがリパックされたサステナフラワーなのです。廃棄される前に少し安く販売されるサステナフラワーなら、より気軽に花を取り入れられるはず。ぜひサステナフラワーを活用して、花のある暮らしを楽しんでみてください。

お花をできるだけ長く楽しむポイント

次に、フラワーロスの花を少しでも長く楽しむために、花を長持ちさせるためのコツを少しだけご紹介します。

  1. 1.しっかり水切りする
  2. 茎が水をしっかりと吸い上げられるよう、毎日少しずつ茎の切り口をカットしてあげることで、花持ちは格段によくなります◎。繊維を傷めないよう切れ味のよいハサミで切ることも大切なポイントです。

  3. 2.花瓶の水を常に清潔に保つ
  4. 花瓶の水をこまめに替えることで、花持ちはよくなります◎。特に夏は毎日水を替えるとよいでしょう。

  5. 3.余分な葉やつぼみを落とす
  6. 余分な葉やつぼみに栄養を取られないよう、茎の下半分についている葉や傷んだつぼみはすべて取り除きます。葉が長時間水に浸かると、花瓶の中で蒸れて雑菌が増えてしまう原因にもなるので注意してください。

  7. 4.ドライフラワーにアレンジする
  8. お気に入りの花やプレゼントされた花束などを、長く手元に残しておきたいときは、ドライフラワーをつくってみるのも◎。風通しのよい場所や直射日光の当たらない場所に花を吊り下げて、短時間で一気に乾燥させましょう。

切り花を長持ちさせる方法について、詳しくは下のおすすめ記事を参考にしてみてください。

お花のある暮らしを楽しんで、フラワーロスを減らそう!

今回はまだ観賞価値があるにもかかわらず、さまざまな理由で廃棄されてしまっているフラワーロスの現状と私たちにできる取り組みについてご紹介しました。

サステナフラワーを購入することは、花の廃棄量削減だけでなく、環境に優しい暮らしをすることにもつながります。

これまでなかなか花を購入する機会のなかった方でも、よりリーズナブルな価格で手に入るサステナフラワーなら、もっと気軽に花を楽しむことができるかと思います。

余った花とはいえ、もちろん鮮度はよく、本来ならまだまだ楽しめる状態のものばかりなので、ぜひ店頭でチェックしてみてください。笑顔あふれる花のある生活を楽しみながら、花のロスを減らしていく、そんな日常がこれからもっと広がっていくと素敵ですね。

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