ハナカジ コラム

花を色の意味で選ぼう!カラーセラピーにおける色がもつ力と効果

花 カラーセラピー

お花を飾ることによって、無意識のうちに心が癒やされたり、落ち着いたり、パワーをもらえたり、そんな経験ありませんか?それはもしかすると花の色が持つ心理効果が働いているからなのかもしれません。

ここではお花を通して知るカラーセラピーに着目。カラーセラピーの効果や色のもたらす意味について紹介します。

カラーセラピーとは?

カラーセラピーとは、日本語で「色彩療法」のこと。色の持つ心理効果を利用して、心身のバランスを取り、自然治癒力を高める効果があるのが、カラーセラピーの特徴です。

最近では医療や福祉施設、介護、教育においても、カラーセラピーを取り入れるところが増えてきています。色を通して、今の自分の気持ちや環境に足りないもの、モヤモヤした感情を明確に表出させ、知ることで、心の浄化作用(メンタルケア)に繋がっています。

カラーセラピーがもたらす効果

では、カラーセラピーには具体的にどのような効果があるのでしょうか。

私たちは色を見ると、目から入ってくる色によって神経系や内分泌系を刺激するといわれており、中でも自律神経への働きが注目されています。

色が心身に対して働きかけがあること自体、不思議に感じるかもしれませんが、知らないうちに色による影響を受けているのです。意識して選ぶ色、意識していないけど、今日はなんだか気になる色がありませんか?これは、人によってもそのときの気持ちによっても異なります。

好きな色や気になった色の持つ意味を知ることで、自分の心に寄り添ってくれるのがカラーセラピー。自分の気持ちを大切に、暮らしに取り入れる色を意識してみてくださいね。

カラーセラピーにおける色の意味

花 カラーセラピー

カラーセラピーは、東洋医学やインド哲学の色の概念も取り入れています。その中で「チャクラ」と呼ばれる、人の体の中にある7つの主要部分に存在するエネルギーセンターとの関係に重点を置いており、色が各器官の機能や感情、精神面に影響を与えると考えられています。

例えば、色によって寒暖差を感じたり、食欲の増進や抑制に影響が出たり、また赤い壁の部屋にいるときには、体温や脈拍数が上がるという実験結果も報告されています。
ここでは各色が持つ色の意味について紹介していきましょう。

赤色(情熱・エネルギー)

赤は肉体を表します。活力や情熱など、強いエネルギーをイメージする色。やる気のあるときやアクティブに動きたいとき、自分をアピールしたいときなどに赤が気になる、と感じる人が多いようです。

赤い花といえばバラを思い浮かべる方も多いでしょう。赤いバラは情熱を表現するときにぴったりですし、赤いカーネーションは愛を贈りたい花として母の日ギフトの定番となっています。またプレゼンなどの際に会議室に赤い花を飾ると積極的に発言できるなど心の持ち方も誘導してくれます。

ピンク色(愛情・優しさ)

眺めるだけで優しく包み込んでくれるような力があり、ふんわりとやさしい気持ちになるピンク。子宮や母体の色を無意識に感じている、無条件の愛の色といわれています。ピンク色を身につけることで血行がよくなり、女性ホルモンの分泌を促すといわれるほど、女性らしさや美を連想させる色です。

ピンク色の花は、春らしくてかわいらしいイメージのものが多く、中でもピンク色のチューリップやガーベラなどが人気。赤と同様に「愛」を意識させる花言葉が多いのも特徴ですね。

オレンジ色(活力・喜び)

ビタミンカラーの代表でもあるオレンジは、陽気で明るい人間関係を築くことのできるポジティブな色。本能や直感が冴え、心身にパワフルなエネルギーをもたらし、食欲を増進させる効果もあるので、飲食店などでもよく取り入れられています。

オレンジのマリーゴールドやダリアなど、オレンジ色のお花を食事の際に飾れば、会話も弾み、喜びも感じられるひとときを過ごせそうですね。

黄色(明るさ・幸福感)

黄色はメンタルを表します。明るく無邪気な心や、ひらめき、躍動感あふれる気持ちを高めてくれて、自分らしさに自信を持たせてくれます。脳に刺激も与えてくれ、判断力が冴え、集中力がアップするので、勉強部屋やリモートワークなどのときはデスクに飾ると効果的です。

代表的な黄色の花といえば、ヒマワリですよね。視覚的にも元気を与えてくれ、暗くなりがちな場所に飾っても明るさをプラスします。また、春の訪れを告げるフリージアや菜の花などを取り入れて、気持ちを高めるのもおすすめです。

緑色(癒やし・調和)

体の心臓部、ハートチャクラに位置する緑は全体のバランスを大切にし、周囲との調和や信頼関係を強くし、人間関係も良好にしてくれるでしょう。自然の色そのものであるグリーンの木々や草花の緑を見ることは、森林浴のような癒し効果が◎。無意識のうちに気持ちを落ち着かせて、ストレスや緊張をほぐしてくれるといわれています。

緑色の花はあまり多く存在しないので、アイビーやドウダンツツジ、ユーカリなどの葉枝を飾って楽しんでみるといいでしょう。

青色(平静・安定)

どこまでも広がる青い海や青い空のように、受容的で包容力のある青色。心の落ち着きや、感情に左右されない冷静さなど、「静」の意味合いを持つ寒色の青色。何となくイライラするとき、むずかしい問題に直面したときなどに青色の花を飾って眺めてみると、自然と穏やかな気持ちになるのでおすすめです。

清らかで美しい印象のリンドウや、花姿にボリューム感のあるデルフィニウムなども人気があります。

紫色(洞察力と創造性)

体の最も上部である頭頂部に位置する紫色は、まさにスピリチュアルなイメージを象徴する色です。想像性を高めることから、芸術的感性や潜在能力を引き出す効果があるといわれていて、精神を集中させたい場所には最適です。

古くは身分の高い人しか使うことができない高貴な色であったため、雅なイメージも持ち合わせています。洗練された大人の気品漂う紫色は、目上の人に贈る花色としてもぴったり。アジサイやアスター、ラベンダーなどをアレンジに取り入れて贈ってみるのもよいでしょう。

白色(純粋さ・癒やし)

純潔さと清純さのイメージを兼ねそなえた白色。日本では神聖で清浄な色とされ、心身の浄化作用の効果もあります。
また、ピュアな花言葉を持つ花も多く、純白のウエディングドレスとの相性がいい白ユリや、胡蝶蘭などは結婚式の花としてすっかり定着していますね。

また気分をリフレッシュさせて癒やしてくれる効果も期待できます。心をクリアにしてくれるので、すっきりしたい気持ちになりたいときや、ものごとを整理したいときには、カスミソウやカラーなどの白い花がおすすめです。

黒色(重圧)

白に対して、表裏一体の関係を持つ黒。あえて自分をさらけ出さず、威厳ある姿をみせたいときなどに、潜在意識で取り入れたくなる色です。

何か重圧のかかるような責任のある立場にあるときにも選びがちで、黒色が気になるときには、クールで強い自分というメッセージも込められています。

一方で黒が好きな人は神秘的で知的さがあり、洗練された人という印象も。最近では黒っぽいカラーやスカビオサ、ヒアシンスなど、シックで大人っぽい花がそろいます。

お花でカラーセラピー!色の組み合わせアイディア例

花色の組み合わせによって、印象や雰囲気はがらりと変わります。おうちで飾るときは癒されたい色を、ギフトで贈るときは相手のイメージで色を組み合わせてみてはいかがでしょうか。次に、配色のアイディアや、色が与える印象や効果についてご紹介します。

気持ちを落ち着けたいときは「青×白×グリーン」

花 カラーセラピー 青×白×グリーン

清潔感を与えて心身を落ち着かせる青。寒色である青は、暑い夏に取り入れると気持ちをクールダウンさせてくれ、集中力を高める効果も◎。また純真無垢なイメージの白と合わせれば清潔感も加わり、気分を一新させてくれますよ。

さらにグリーンを入れると冷たい印象が和らいだ雰囲気になり、より一層心を癒してくれるでしょう。青のデルフィニウムやリンドウと白のトルコキキョウに爽やかなグリーンを添えて、バランスの取れたアレンジを楽しんでみましょう。

なにかに挑戦したいときは「赤×オレンジ×黄色」

花 カラーセラピー 赤×オレンジ×黄色

情熱やエネルギーの象徴である赤と、明るくあたたかみのあるオレンジは、暮らしに活力とパワーをもたらしてくれます。また、黄色のお花を加えると強すぎる色の印象がグラデーションのようにまとまります。

体感温度を高く感じさせてくれる効果もあるので、日当たりの悪い場所や寒い冬にもおすすめですね。高貴な印象のバラと個性的な花を組み合わせた、ラグジュアリーな花束はいかがでしょうか。

愛の安らぎを求めるときは「ピンク×白×グリーン」

花 カラーセラピー ピンク×白×グリーン

優しく、甘いイメージのピンクと純粋でクリアな白の組み合わせは、清潔感があり女子力向上の効果があります。また、気持ちも穏やかになり、緊張感の緩和や疲労感の軽減にも効果的です。

丸みをおびたピンク色のガーベラやバラに、白いトルコキキョウやカスミソウを組み合わせれば可愛らしいスタイルに!そこに爽やかなグリーンの葉ものを添えると、穏やかな雰囲気になり、より幸せな気持ちになれそうです。

カラーセラピーの色の意味を知って花をもっと楽しもう!

それぞれの色が持つ意味と効果を知り、花色を上手に利用することで、心が癒やされて不安などの悩みから解放されたり、自分自身を理解したりすることもできるんですね。花を飾ることで、本来の自分を知れるなんて、何だか不思議ですが、知れば知るほど面白く、興味を持った方も多かったのではないでしょうか。

これからお花のアレンジや花束にカラーセラピーの効果を意識してみると、もっとお花が身近になり、楽しく取り入れられますよ。

監修スタッフ:望月

監修:望月 奈緒子(もちづき なおこ)

株式会社メルシーフラワー デザイナー

ポスター、フライヤーなどの販促物、ホームページの企画・制作、SNS・イベントなどの広報活動にも関わる。NPO法人日本カラーアートセラピー協会認定資格『色彩芸術心理学療法士』取得、広告デザインでは色を意識したデザインを心がけ、カラーアートセラピーの分野でもボランティアカウンセラーとして、色を通じたこころのうがい手洗いを広げる活動を行っている。

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